2009年5月16日土曜日

仕事の思想



【1】仕事の思想 -なぜ我々は働くのか
【2】田坂広志
【3】感想+フレーズ
大学4年もなって最近は悩みの90%は進路(ゆくゆくは就職)のことだ。どんな道が自分の道なのかを探している。仕事の思想、「なぜ自分が働くのかの答え」からそのヒントを得たいと思い本を読み始めた。

以下、心に響いた『フレーズ』とともに主に自分が感じ取ったことを書いておく。

なぜ働くのか?という問いに対して「お金のため」だけが答えになってはならないと私は感じていた。
じゃぁ、なぜだろう‥仕事で給与以外のことで得られることは何だろう‥

著者は仕事の報酬にはいくつかの世界があり、一生懸命働くことによって見えてくる世界が変わってくると述べていた。その4つの世界とは
・給与(お金)

・能力(仕事のスキル・ノウハウ)

・仕事(やりたい・やりがいがある仕事)

・人間としての成長(こころの世界が見えるようになる)
のことをさす。 
上の3つは、失われてしまうか衰えるかそもそも与えられないことが多い。しかし「人間としての成長」は決して失われないものである。最終的に、私たちは「人間としての成長」のため働くのである。人間としての成長のためには、「夢を本気で語り、目標を定めること」が大切だと著者は強調する。

夢を語ることによって目標が見えてくるし、はっきりとした目標が定まることで力を振り絞ることができる。精一杯頑張っていくうちに成長する。
ここで目指すべきなのは、夢を語ることの責任を持つことが怖くて一人で夢だけを膨らます「妄想家」ではなく、本気で夢を人前で堂々と語り、まずは自分を変え、そして成長のために努力し続けていく「理想家」である。

そして更に成長していくためには現在の成長の段階を把握することが重要で、それは自分の鏡である「顧客」を見つめ、共感することで分かることができる。大切なのは、
『こちらの立場に立った操作主義的な発想で、「顧客を説得しよう」「顧客を動かそう」と考えるのではなく、まず、無条件に、顧客に深く共感する』
つまり、自分の損益を考え相手を操作すようとせず、相手の立場、状況を深く理解することである。

また「人間学」を学び、「人間力」つけることが「人間としての成長」を助ける。これらは本や話を通して得られるものでなく、現実の世界で通して身につくものである。現実の世界こそが最高の学び場である。人を深く見つめることが「人間学」となり己の内面省察につながる。人と正対・格闘し最適な距離を見つけることで「人間力」は身につく。


「人間としての成長」は「人生の思想」なのではないかと自分なりの結論に至った。私たちがどのような状況の下にあっても、私たちを支えてくれるもの、どんなときでも心がけるべきことだと思った。

『仕事というものは、こころを込めてやれば何でも面白いよ‥』
人間はできなかったことができるようになると面白いと感じるそうだ。言い換えよう。人は自分の成長を実感すると楽しくなる。

どんなものであれ仕事というものは、人間として成長することを思いかければ素晴らしい機会を与えてくれる。それが理解できていれば、仕事は面白くなる。自分を成長させてくれる貴重な存在だからだ。

+ + + + +

・現代のノブリス・オブリージュとは、
『高貴な人が覚悟する義務』ではなく、『義務を覚悟する人の高貴さ』である。

・『「夢が破れること」を恐れる必要は決してない』
・『我々は、後生を待ちて、今日の務めを果たす』
・『本気で夢の実現を信じ、力を尽くして歩むこと』

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【4】目次
はじめに なぜ我々は働くのか
第一話 思想 / 現実に流されないための錨
第二話 成長 / 決して失われることのない報酬
第三話 目標 / 成長していくための最高の方法
第四話 顧客 / こころの姿勢を映し出す鏡
第五話 共感 / 相手の真実を感じとる力量
第六話 格闘 / 人間力を磨くための唯一の道
第七話 地位 / 部下の人生に責任を持つ覚悟
第八話 友人 / 頂上での再会を約束して人々
第九話 仲間 / 仕事が残すもうひとつの作品
第十話 未来 / 後生を待ちて今日の務めを果たすとき

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